2007年 08月 26日
日本ふるさと紀行 ~尺八の匠を求めて~ その3 |
(前回からの続きです)
すっかり職人と意気投合し,その日は一仕事終えた職人にいろいろなお話を伺いました。
山の嶺から夕日の光が油絵のように美しく,のんびりとした空気が流れていきます。
なんと美しいところでしょうか。美しい尺八の音を作り出すには,美しい風土が
欠かせないのだなと感じます。
しかし我々は,その晩の宴会で驚愕の事実を耳にする!!
そこそこ酒も入り上機嫌の職人。我々は明日東京に帰る旨を話すと,
「おおそうか。では帰りに生きた尺八をお見せしようぞ。そろそろ旬じゃもんで」
生きた尺八!!?生演奏でも披露してくださるのだろうか。しかし,「旬」ってどういうことか?
もしや,アレでは。。。いやまさか!しかし・・・。
酔った頭に色々な想像が混沌とめぐる中,職人は
「んじゃ明日6時におきなされ」
といって床につきました。
早朝からはちょっとなあと思いつつも,我々もその日は就寝しました。
翌朝,職人の家の裏庭に周ると,そこには驚くべきモノが!
尺八の木である。
「おー,なっとるなっとる」
満面の笑みで尺八を収穫する職人。この木はなんなんですかとの問いには,
「ワシにもようわからんのぞ。ウシャシャシャシャ」
と笑ってごまかす職人。
もはや,目を疑うとしか言い様がありません。
なぜ,竹で作られるはずの尺八が木になるかというような,朴訥な疑問すらわかなくなるほど
驚愕です。現に,ここにあるわけです。
「もぎたては刺身にしてもゆけるものぞ」
もはや訳がわからない!
しかしこのあと,我々は奇跡の立会人になるのです!
おそらく全世界のホームページ・ブログ史上初となる衝撃の映像です。
心してご覧ください。
もぎ取られた尺八を手に取り,早朝から頭が混乱する中,職人は草むらに入り込みます。
「今日はいそうでぞ」
大きめの枝で草を叩くように払うと・・・・・・・・・!!!!!!!
プォー!
という尺八の低いメリ音(詳しくはこちら)とともに,なんと尺八ががバッタのように
飛んでいくではないか!またここで職人の目の色が変わる!
ピョンピョン跳ねて逃げ回る尺八(?)を,獲物を狙うチーター(水前寺清子)のように
追いまくる職人!そして・・・。
とっ捕まえました。流石。
満面の笑みで尺八を抱えた職人。その生き物はなんなんですかとの問いには,
「ワシにもようわからんのぞ。ウシャシャシャシャ」
と笑ってごまかします。謎だ。
木になる尺八は「実尺八」,草むらに潜む尺八は「飛尺八」とよばれ,
世界でも珍しい,生きた楽器として知る人ぞ知るものであるようです。
そのまま吹いても音はでますが,楽器として使うには加工が必要とのことです。
この土地では縁起物として取り扱われ,楽器としては用いずに,神棚や玄関,
勝手口や厠などに厄除けとして使うことが多いとのことです。
「どうぞ?おどろいたんぞなからんか?」
と、当たり前の事のようにアッサリしている職人。世の中にはまだまだ不思議なことがあるようです。
フェリーの時間が近づくと,職人が港に用事があるとのことで,送っていただきました。
・・・・この近辺では海でも尺八が取れるとのこと。
しかし,次のフェリーを逃すと笑点に間に合わなくなってしまうため,
ここは涙を飲んで職人に別れを告げました。
シェイクハンドのあと,「またきなされ」と言ってご自分の船に乗り込む職人。
勇ましいの一言です。
お世話になりました!
(おしまい)
すっかり職人と意気投合し,その日は一仕事終えた職人にいろいろなお話を伺いました。
山の嶺から夕日の光が油絵のように美しく,のんびりとした空気が流れていきます。
なんと美しいところでしょうか。美しい尺八の音を作り出すには,美しい風土が
欠かせないのだなと感じます。
しかし我々は,その晩の宴会で驚愕の事実を耳にする!!
そこそこ酒も入り上機嫌の職人。我々は明日東京に帰る旨を話すと,
「おおそうか。では帰りに生きた尺八をお見せしようぞ。そろそろ旬じゃもんで」
生きた尺八!!?生演奏でも披露してくださるのだろうか。しかし,「旬」ってどういうことか?
もしや,アレでは。。。いやまさか!しかし・・・。
酔った頭に色々な想像が混沌とめぐる中,職人は
「んじゃ明日6時におきなされ」
といって床につきました。
早朝からはちょっとなあと思いつつも,我々もその日は就寝しました。
翌朝,職人の家の裏庭に周ると,そこには驚くべきモノが!
尺八の木である。
「おー,なっとるなっとる」
満面の笑みで尺八を収穫する職人。この木はなんなんですかとの問いには,
「ワシにもようわからんのぞ。ウシャシャシャシャ」
と笑ってごまかす職人。
もはや,目を疑うとしか言い様がありません。
なぜ,竹で作られるはずの尺八が木になるかというような,朴訥な疑問すらわかなくなるほど
驚愕です。現に,ここにあるわけです。
「もぎたては刺身にしてもゆけるものぞ」
もはや訳がわからない!
しかしこのあと,我々は奇跡の立会人になるのです!
おそらく全世界のホームページ・ブログ史上初となる衝撃の映像です。
心してご覧ください。
もぎ取られた尺八を手に取り,早朝から頭が混乱する中,職人は草むらに入り込みます。
「今日はいそうでぞ」
大きめの枝で草を叩くように払うと・・・・・・・・・!!!!!!!
プォー!
という尺八の低いメリ音(詳しくはこちら)とともに,なんと尺八ががバッタのように
飛んでいくではないか!またここで職人の目の色が変わる!
ピョンピョン跳ねて逃げ回る尺八(?)を,獲物を狙うチーター(水前寺清子)のように
追いまくる職人!そして・・・。
満面の笑みで尺八を抱えた職人。その生き物はなんなんですかとの問いには,
「ワシにもようわからんのぞ。ウシャシャシャシャ」
と笑ってごまかします。謎だ。
木になる尺八は「実尺八」,草むらに潜む尺八は「飛尺八」とよばれ,
世界でも珍しい,生きた楽器として知る人ぞ知るものであるようです。
そのまま吹いても音はでますが,楽器として使うには加工が必要とのことです。
この土地では縁起物として取り扱われ,楽器としては用いずに,神棚や玄関,
勝手口や厠などに厄除けとして使うことが多いとのことです。
「どうぞ?おどろいたんぞなからんか?」
と、当たり前の事のようにアッサリしている職人。世の中にはまだまだ不思議なことがあるようです。
フェリーの時間が近づくと,職人が港に用事があるとのことで,送っていただきました。
・・・・この近辺では海でも尺八が取れるとのこと。
しかし,次のフェリーを逃すと笑点に間に合わなくなってしまうため,
ここは涙を飲んで職人に別れを告げました。
シェイクハンドのあと,「またきなされ」と言ってご自分の船に乗り込む職人。
勇ましいの一言です。
お世話になりました!
(おしまい)
by izamina
| 2007-08-26 16:24
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